虐待、DVの被害を受けた子どもの支援に、米国と日本で30年余り携わってきた立場から、この法案に強く反対します。

法案の目的に「子の最善の利益に資することを目的とする」とありながら、面会交流における子の安全と安心を保障する法的な仕組みの設計が一切なく、まるで離婚した親のどちらか一方の利益のために作られた法案のようにすら読めます。

「児童虐待、DVの事情がある場合には、特別な配慮がなされなければならない」との一文があるだけで、その具体的な方策がない面会交流の法的強制は、虐待やDVの被害を受ける子どもの数を今後一層増大させるものにほかなりません。

日本は、虐待、DVから子どもの安心安全を守る法的仕組みがまだあまりに不十分です。DV被害者と子どもを加害者の暴力から守る法制度も不十分であり、虐待した親、DV加害者の回復プログラム受講命令の法制化すらされないままです。虐待、DVから子どもを守るための最低限の法制度が整っていない状態で、面会交流の定期的実施を強いるこの法案が「子どもの最善の利益」にもたらすダメージはあまりに大きいものとなることでしょう。